【歴史】50年前の鳴子峡

こちらの写真は50年前の1970年10月25日に撮影されたものです。

ここは大崎市を代表する紅葉の名勝・鳴子峡。

その美しさは昔から変わることなく、見る人に感動を与えてくれます。


昭和29(1954)年から、オイルショックに至る約20年間、日本は史上空前と言われる高度経済成長を遂げました。景気が良くなるにつれ、旅行ブームとなり、多くの人が温泉地・観光地を訪れるようになりました。この高度経済成長期と同時期に、中山平温泉や鳴子温泉・東鳴子温泉・川渡温泉・鬼首温泉の「鳴子温泉郷」へ、陸羽東線のシゴハチ達は多くの観光客を乗せて走り続けてくれました。まさに当時の賑わいを象徴する存在であったと言っても過言ではなかったのかもしれません。


その時から50年の歳月が流れ、シゴハチたちの活躍も忘れ去られボロボロになってしまいました。しかしまた蒸気機関車をピカピカに綺麗にしてあげて、それを一つのきっかけに温泉街にもまた新たな人と人との繋がりを創ることができたのなら・・・。


歴史あるものは一度壊してしまえば二度と戻すことはできません。

例えば愛知県にある「博物館明治村」は、戦後の急速な経済成長の蔭で失われつつある明治時代の建築物のうち、歴史上にも文化芸術上にも価値があるものを末永く保ちたいとの意見が募り、今では愛知県を代表する人気観光地となっています。それは今まさに解体の危機にあり失われつつある蒸気機関車たちにも言える事。もし大崎市内に遺ってくれている戦前に生まれたシゴハチたちを、さらにこれから50年100年と未来にしっかり遺せたら、美しい鳴子峡と一緒に「地域の誇り」としてなり得るのではないでしょうか?


●写真提供:眞船 直樹 氏 

C63試験装備のまま4年間営業運転を続けたC58117(小)牽引 小牛田発新庄行723列車。

現車7両250トンを牽いて鳴子隧道を出て第一大谷川橋梁を渡り第一中山隧道に入る一瞬。

陸羽東線シゴハチ歴史保存会・陸羽東線シゴハチの里PROJECT

陸羽東線シゴハチ歴史保存会では、大崎市内に静態保存されている蒸気機関車「C58」の保存活動として、 「陸羽東線シゴハチの里PROJECT」を展開しております。