保存に対する声
大崎市内に最も観光客が集まる紅葉シーズン。
そこには蒸気機関車シゴハチたちに想いを寄せる人々の声がありました。
こちらは現在、吉野作造記念館さんで開催されている、大崎市内の小中学生による「わたしの大切なもの」をテーマとしたチャリティ展覧展の作品の一つ。
そこには
「これは岩出山城のC58です。急な坂を上った先で、満開の桜に囲まれたC58をみて感動しました。もう走ることはありませんが、今にも蒸気を出して動き出しそうでした。たとえ時がたっても、城山から未来の子供たちを見守る存在であってほしいと思います。」
と書かれていました。
(チャリティ展覧展は11/1~11/29の期間で開催されております)
こちらは中山平温泉駅の待合室に置かれている「駅ノート」。
ページをめくると蒸気機関車への想いがあちらこちらに書かれていました。
紅葉シーズンという事もあり、中山平温泉駅前にはたくさんの方々がお見えになっておりましたが、老若男女を問わず蒸気機関車の前で写真を撮影されていた方の姿も決して少なくはありませんでした。
これまで、西古川・岩出山・中山平の各地域の方々と直接お会いしたりメールのやりとりをさせて頂く中で、「蒸気機関車を解体してしまってほしい」と心の底から願う人はほとんどいませんでした。一方の反対意見としてあったのが、「将来的に地域の負担になるならば今解体してしまったほうが良い」というものです。中には「アスベストが怖い」というご意見もありました。
こうした、地域に生きる方々や子供達・遠方からいらっしゃる観光客の方々の「保存を望む声」と、解体も仕方ないと考える「安全面・費用面」に対する声がある中で、本当に「保存」の道は無いのでしょうか?
その「?」に対して私たち保存会は、『やれば出来る事』だと信じています。
何故ならば、地域の「負担」にならずにむしろ地域の「宝」として守っているところが全国各所には存在している事実・実例があるからです。
こうした可能性を地域の方々一人一人に直接会ってご説明したところ、最初は難色を示されていた方も「これなら保存していける」と、ご理解頂いた事のほうが圧倒的に多い状況にあります。
かつて、経済的に破綻をきたしていた山形県米沢藩を蘇えらせた名君・上杉鷹山公。
アメリカ合衆国ケネディ大統領が最も尊敬する日本人として名を挙げた人物です。
そんな上杉鷹山公の名言にこんな言葉があります。
「為せばなる為さねばならぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」
現代語訳に置き換えると、
「やればできる、やらないからできないのだ。やろうとしないから、やれないのだ。」
という意味です。
蒸気機関車の保存も「難しい」では何にもできません。
しかし、やろうとしてやってのけた地域がこの日本の各所にはたくさんあります。
今ならまだ立ち止まって、やりなおせるチャンスはあるのです。
その動きを変えるのも変えないのも、大崎市に生きる私たちの声次第です。
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