【お知らせ】11/6開催Zoom会議内容について

令和3年11月6日に、保存会メンバー等によるZoom会議を開催致しました。

内容は下記の通りです。


●問題点1

「持続可能な保存活動」として、全国各所の保存団体で問題化しているのが「メンバー確保」の点にあります。メンバーの高齢化や地域の過疎化・少子化等が原因で、やむなく鉄道車両が荒廃し解体へ至るケースが日本では後を絶ちません。

●改善点1

そこでこれまでの「地域依存保存型」ではなく「広域的保存型」として保存メンバーを集める方式にしていきたいと思います。これは鉄道に関わらず「文化財」をしっかりと守っている地域では既に実践されている内容であり、各市町村・各地域の垣根を越えて「文化財を守りたい人」が結集し、そこに地元の方々にもご参加頂くというものです。これは豪雪地帯にて「除雪部隊」として過疎地域のご高齢の方を助けるボランティア活動と類似するものでもあり、地域支援活動を通じたボランティア精神や道徳心教育とリンクするものです。またこのような活動は少子化が進む地域と外部の人との交流が生まれるきっかけにもなり、地域活性化の一翼を担う側面も持ち合わせております。


●問題点2

続いて「保存団体としての持続性」に関する問題です。「陸羽東線シゴハチ歴史保存会」は任意団体としてスタートしましたが、現実問題として代表者である大場が倒れればこの保存会はあっという間に倒れてしまうという「脆さ」があるのが現実です。

●改善点2

その点を解消すべく大崎市へ提出した蒸気機関車保存維持提案書の中に「社会教育団体への登録」を行うと提言しておりました。これを保存転進後に行うのではなく、より説得力のあるものとするために、また先述の「広域的保存型」を実現すべく、陸羽東線シゴハチ歴史保存会は『宮城県鉄道歴史保存会(Miyagi Railway Historical Society)』として、宮城県全体の鉄道文化財を守る公認団体として社会教育団体・一般社団法人・NPO団体等の登録を目指し活動して参ります。既にこれまでの保存運動を通じて大学教授や他の鉄道団体、地域活性化団体、NPO法人設立に詳しい行政職員の方々のお力添えを頂いておりますので、あとは個々のメンバーの方々の魅力を結集し、この思いを着実に具現化していくだけです。


●文化財シンポジウム開催に向けて

これまで開催してきた集会などで「宮城県は静態保存された車両にとって地獄と呼ばれている」と代表よりお話して参りました。

【宮城県静態保存車両状況】

●解体済み

・C61 1

・C11 351

・C58 16

・C58 365

・D51 1108

・ED91 21

・ED71 1

・ED75 1

・ED77 1

・EF71 1

●解体危機にある車両

・C58 19

・C58 114

・C58 354(解体確定)

・C58 356(解体確定)

・ED91 11

●その他の解体された車両たち

・仙台市ガス局の旧型客車

・個人保存の仙台市電

・伊豆沼サンクチュアリのナロー

・たかともワンダーファーム保存車群

・クモヤ90055

・チャチャワールド保存車群

●荒廃が進む車両

・C58 228

・ED71 37

・オハフ61-2527


こうした中でまともに整備されているのはたったの3両だけです。しかしこれは鉄道車両に関わらず、石巻市のサン・ファン・バウティスタ号の事例しかり、こうした現実を憂いている方々が宮城県内にはたくさんいらっしゃいます。現実問題として文化財登録件数が宮城県はワースト6位(文化庁調べ)です。こうした現実を踏まえ、このZoom会議は定期的に開催し、最終的にはオフラインにて年度内に「宮城県の鉄道に関わらず『文化財』を守るシンポジウム」として開催を目標としていきます。



●次回Zoom会議開催予定日

2021年11月20日(土曜日)21:00より

なお先日開催した会議では急な開催ではありましたが、市内だけではなく県内外の方々にご参加くださり、課題や今後の方針について深夜まで意見を交わさせて頂きました。また参加されたのはもちろん今回も鉄道ファンだけではありません。地域の未来を想う一般の方々にもご参加頂いております。この会議はどなたでも参加できますので、次回開催も皆様のご参加を心よりお待ちしております。

陸羽東線シゴハチ歴史保存会・陸羽東線シゴハチの里PROJECT

陸羽東線シゴハチ歴史保存会では、大崎市内に静態保存されている蒸気機関車「C58」の保存活動として、 「陸羽東線シゴハチの里PROJECT」を展開しております。